結論を先にお話すると、EU医大にいくことで「真の国際人」として、日本の医大卒の方々とは「大変意義のある人生、日本医大卒業生とは違う人生がまっている」ということでしょうか。
卒業後は多くの選択枠があります。EUの27か国と英国での医師資格を得られ、日本、USAとカナダの医師免許取得の受験資格を得られます。希望にあふれた学生が世界から集まった中で、「留学生のコネクション」をつくり、世界を相手に仕事が可能になります。「世界の最新技術」「世界の最新知識」などの情報がきっと流れてくるでしょう。
「海外医大生の親」としては、若い日本人の方々には、日本独特のガラパゴス的な「偏差値信仰」にとらわれず、海外に「飛び出す」ことも、素晴らしい人生を迎える可能性は大いにある、ということをお伝えしたく思います。
歴史を振り返ると、海外医大進学に関して、過去の日本人の意識は全く違っていました。
ITバブルが2000年後半に崩壊し、その後2007年から2010年までのリーマンショックと世界金融危機がありました。この時期までは「日本の医大に行けない人間が海外医学部にいく」という固定概念があり、「海外医学部に行く価値」を下げていました。しかし、この概念はすでに古くなりつつあるように思えます。
確かに、EUの医大の受験科目は2とか3科目の大学が多く(ルーマニア国国立大学は無試験)、入学が簡単な印象はあります。しかし、これをもって、日本の大学生が優秀だと言えるのでしょうか?(日本人は予備校が作り上げた偏差値が大好きだから、「YES」と思っておられる方もおおいことでしょう)
日本の医大とEUの医大の運営の仕方が非常に違うことをご存じでしょうか。
ほとんどのEUの医大では1年目と2年目に平均30%から40%の学生が落第します。数年前には、中欧のC国のC国立大学では数年前に200名以上が入学し、その60%が3年生になれなかったという情報もあります。ルーマニア国の医大はあまり落第生を出さなかった過去がありますが、ここ数年間は多くの医大で30%程度の学生が落第します。
まさに「入るのはやさしいが、卒業するのは困難」というのが多くのEUの医大のようです。そのため、日本の高校でいくら偏差値が高くても、EUの医大を卒業できるとは限らないと思います。日本独特の偏差値の作り上げた「学力レベル」の差は、医学部の学習においてはほとんど関係のない要素だと思えます。
日本独特の「ガラパゴス化した偏差値」という信仰に頼らず、広い世界に目を向けて、「真の国際人」になるべく、海外の医学部進学にも目を向けるべき時代が到来していることをわかっていただきたいと思います。
次に学生さんの不安として、「海外の医大を出ると、日本のいい病院に就職できない」「日本の国立大学卒にバカにされる」などの不安があるかもしれません。
私の友人は20年以上も前にルーマニア国の医大を卒業し、東京近郊の国立大学の外科医になりました。実力をもって、自分の人生を切り開くことができます。英語力があれば、外国人の多い都市の大きい病院にも就職できるかもしれません。EUの医大を卒業した努力を考えれば、どこにでも切り込んでいけるでしょう。
話は少し外れますが、今の上智大学は非常に難関校ですが、昔の上智大学は「ほとんど知られていない、大したレベルではないカソリックの大学」だという意識が昭和一桁の方にあったようです。私の父もそのように言っておりました。しかし、優秀でない学生をどんどん落第させた結果、卒業生は国連で働いたり、世界企業で働いたりして、徐々にレベルを上げていったのです。
これと同じように日本では知られていないEUの医大を卒業できれば、その大学のレベルや知名度はもっと上がっているかもしれません。
そして、自分の力や知り合った国際人たちのコネクションで、自分の道を切り開いていけると思います。 受け身にならず、前に進むことを大学で学ぶはずですので、これからの若い方々には頑張っていただきたいと思います。