ー 海外医学部卒業生の価値 ー 

結論を先に言えば、海外医学部に進学し、卒業をすることは「非常に価値の高い」ことと考えていますし、大いに有意義だとおまいます。若い方々には、ぜひ「真の国際人」になり、「実力のある人材」として、ぜひ世界に羽ばたいていただきたく思います。
興味深いことに日本国内の医者も国際化が進んでいます。海外医学部を卒業した方々が日本の医師になっている人数が年々増えているのは興味深いです。


ところで、日本とEUの医大卒業生に差があるのでしょうか? 海外医学部は日本独特の「ガラパゴス化した偏差値」という信仰はないので、偏差値では海外とは比較できません。その代わり世界には「QS」「THE]といった大学の世界レベルランキングがあります。

しかし、能力比較まではできないので、ここでは、海外医学部を卒業するとどういう価値が生まれるか分析してみましょう。

(1)英語クラス(又はフランス語クラス)で英語(フランス語)を磨き、臨床授業のために現地の語学を習得し、文化を経験している人材はそれだけで価値が高いという意見もあります。中欧や東欧の医大では口頭試問に合格しないと、卒業できないので、コミュニケーション能力が磨かれていいきます。仮に日本で働くことになっても、日本人や外国人患者とのコミュニケーションは円滑になりますし、躊躇なく英文論文は読めるため、研究留学もしやすい状態になります。

(2)USAの大学MBAコースを卒業した方々の話をよく耳にしますが、「国際的なコネクション」ができ、ビジネスでも役に立つ、というコメントを聞きます。海外の医大でも同じように多くの優秀な人材が集まるため、 「国際的なコネクション」が作りやすい環境があります。3-4名のチームが互いに勉強を教え合わなければ、勉強が間に合わないし、先輩から過去問を教えてもらうコネクションがないと、生きていけなくなります。大学生活6年間で生き残りを果たした4名程度の学習仲間(戦友)は、6年後一生涯の親友となることでしょう。

(3)EUの医大をでると、卒業と同時に「医師免許」が発行されます。日本のように国家試験はなく、卒業が国家試験になります。
そして、一旦卒業をすると、EU諸国(27か国)と英国のどの国の医者にもなれます。ただし、その国の言葉ができないと臨床ができないので、例えばドイツに行くのであれば、ドイツ語ができないと採用されない、ということですが、可能性は広がります。

(4)EUの大学を卒業すると、(A)アメリカの医師免許受験資格USMLE(United States Medical Licensing Examinations)や(B)カナダの医師免許受験資格MCCEE(Medical Council of Canada Education Examination)が与えられるため、アメリカやカナダでも働ける可能性がきます。もうEUの医大を卒業すると、その日本人は「世界人」になるのです。

(5)海外の大学を卒業すると、日本のいい病院に勤務できないとか国立大学卒の先輩・同僚から差別されるなどが考えられますが、そこは実力で乗り越えていくしかありません。実際に日本人で20年以上前にルーマニアの医大を卒業後、東京近郊の大学医学部付属病院に勤務していた医者を知っています。

(6)試験前は毎日15時間も勉強を続け、口頭試問に合格し、卒業をした方々は、自信にみちていることでしょう。日本の医大同様、海外医大を卒業するには並大抵の努力ではすまないですし、その分だけ有意義なものを習得できていることと思います。そういう方はどのような環境でも生き抜いてい生ける自信もあることでしょう。口頭試問も乗り越え、コミュニケーション能力も磨くので、いわゆる「偏屈な医者」「コミュニケーションが下手な医者」は少なくなります。

(7)チェコ共和国は5年以上大学に在籍していれば、「永久ビザ」を発行してくれます。この情報に魅力を感じる方は、ぜひチェコ共和国も視野にいれてみてはいかがでしょうか。

結論として海外医学部に進学し、卒業をすることは「非常に価値の高い」ことと考えていますし、大いに有意義だとおまいます。若い方々には、ぜひ「真の国際人」になり、「実力のある人材」として、ぜひ世界に羽ばたいていただきたく思います。